日々の喜怒哀楽を綴ります。

『ファン・ウンド潜伏記』

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ゲネプロに立ち会って、音楽構成の最終チェック。
DMに載せた一文を引用しておこう。
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『態変』の一ファンに過ぎなかった僕が、今回「音楽」を担当することになった。金満里さんからの依頼を断るわけにはいかない…なにしろ彼女は、僕の「車椅子の先生」だから恩義があるのだ。加えて、二年前に韓国へ一緒に調査旅行をした、そのテーマの延長に今回の芝居があるのだから、僕にも責任の一端があるわけだ。それで、大役を引き受けることにした。
ファン・ウンドという主人公に透徹して見えてくるものは何だろうか?それは「歴史における個人の役割」だ--僕は勝手にそう理解した。母親であり芸能者であった金紅珠の歴史を辿る中で、金満里さんは紅珠の前夫であるウンドに出会った。この魅力的な男が実践したのは、独立運動、養蚕技術の取得、そして、芸能プロデューサー。字面だけを追えば全く関連のない三つの位相である。それらがどう絡み、芝居として如何に展開するか?想像しただけでもワクワクする。
稽古の途中、満里さんは「音楽に引っ張られるな」と何度も役者に檄を飛ばしていた。「音や曲の雰囲気に呑まれずに、先ず自分の身体表現を創れ」というメッセージだ--僕は勝手にそう理解した。ならば余計に、僕は音楽でバトルを挑まねばならない。<伝統と現代>という古くて新しい課題を背負いながら、己の立ち位置が試されている--僕は勝手にそう理解した。『態変』の舞台に僕の声が響く…、これは事件だ!