日々の喜怒哀楽を綴ります。

笠木透さんからの手紙

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【CD文庫について】
あれこれ考え、ついにCD文庫を発刊することにしました。本来なら、最初に皆さんと相談すべきはずのものでしたが、小生の独断で、作ってしまいました。皆さんを無視したわけでも、頼りにならないと.思ったのでもありません。その逆で、この闘いは、雑花塾の総力をあげたものになり、皆さんのひとりひとりの力がよりどころになります。

それだけに、まずは、ひとりで立って、動き始める。一人でもやる、という決意を、みずからの腹に落とし込むという必要がありました。このような小さな出版でも、資金も資源も使うのですから、それだけの覚悟をしなければなりません。ずいぶんと迷い、悩み、動き出すのに、逡巡しました。小生には、お金も時間もないのですから。

また、みんなに迷惑と、難儀をかけることになると思うと、なにもせずに寝ていたほうがいい。最後まで走っていく体力も、責任をとる気力もあやしいものが、いまさら、なにをやろうとするのか。チト、オーバーですが、命をかけてもやりたいことなのか。自問自答の日々でした。あとは遊ぼう、から、俺はやる、になったのは、電子書籍の記事でした。

いよいよ時代は、電子書籍となり、活字で印刷した本は必要がなくなる。iPadにダウンロードすれば、いつでも読みたい本が読める。確かに便利にちがいない。文明の利器。だが、文明はいつも、使い方しだい。車にたよりすぎれば、足はおとろえ、成人病になる。ボタンひとつで読んだ文は、すぐ忘れる。いつでも読めると思うから。

人間らしく生きるためには、ときには、文明を拒絶することが必要なのです。不便を楽しむ心がなくてはなりません。その力が文化です。ときどき歩く。外で遊ぶ。同じ本をよむ。いつものレコードを聞く。壁にはった絵を見る。歌をつくる。絵をかいてみる。みんなで馬鹿話をしながら、酒をのむ。なんとくだらない。が、なんと素晴らしい。

CDは売れず、本は消えていく。そんな時代に私たちは抵航する。私たちは闘う。だが、無名で、無力な私たちに、なにができるのか。その答えが、このCD文庫なのです。Two Coin千円で、CDも小さな本も絵もついた、CD文庫を発行する。発行部数はたったの2000。大資本が支配するこの社会では、へのようなものでしょう。だが、やるのです。

これが最後?の独断専行をまげてお許しいただいて、ご同行いただければ、こんなに有り難く、うれしいことはありません。1000部で制作費を出し、残りの900部が次の資金になれば、永久回転が可能です。まア、負けることは必然ですが、ワクワクするほど面白いことも確かでしょう。倒れたら、そこで、車座になって、お酒でも飲みましょう。

2010/07/08 笠木透