日々の喜怒哀楽を綴ります。

寺尾・差別判決から38年

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◇10.31 石川一雄さん メッセージ

今年の夏は長く熱く厳しいように感じられた中で、私は例年、現地事務所で書き物をし、蚊に悩まされたものでしたが、狭山に限って申しますと今年の夏は殆どと言っても過言でないくらい蚊に刺されることなく書き物に没頭できました。それは多分雨量が少なく、ぼうふらが湧く場所が少なかったことに起因していたんではなかろうかと思います。皆さん方にはこの長い酷暑を元気に乗り越えられたでしょうか?
前置きが長くなりましたが、38年前の「寺尾不当判決」に対し、再審を訴えて決起下さった皆さん、本当に有難うございます。
寺尾判決の日は誰しも「無罪」を確信していた筈なのに、どんでん返し的な「有罪」判決に私や弁護団の憤りは今も言葉に表すことができません。また支援者たちが激しく抗議行動を展開された旨拘置所で伺いましたが、これは「寺尾なら大丈夫」の楽観が招いたものであると自分を戒め、以後38年間、不撓不屈の精神で闘って参りました。そして今は私の狭山再審闘争を基盤とし「えん罪の防止、差別と偏見の克服」に向けた連帯の輪を広め、力強く踏み出していることに誠に心強く、限りない感謝の念で一杯です。
すでに三者協議も11回を終え、その報告は「解放新聞」既報の通りであり、いよいよ大詰めの段階を迎えています。来年は狭山事件発生から50年であり、私自身は不当逮捕された5月頃には「事実調べ」「再審開始」の実現を目指して連日のように全国各地へ、支援要請のお願いや、裁判所前のアピール行動など、訴え活動を展開している次第であります。しかしながら、2009年12月、門野裁判長の出した8項目の証拠開示勧告に対しても、未だに、肝心要の3項目の証拠を開示しようとしない検察に対し、満腔の怒りを禁じえません。私自身もせめて勧告された証拠を出させることに重点を置き活動を続けていますが、弁護団、部落解放同盟を中心に、全国の住民の会・市民の会、労働組合、宗教者の皆さんの真実を希う真摯なご尽力のお陰で、この2~3年の間、着実に実を結んでいます。また、公平で公正な裁判、事実調べ・再審開始を求める百万筆を超える署名、公正な裁判(→証拠開示の法制化)を求める請願署名など様々な闘いが世論の声として裁判所に届いています。これも偏に皆さん方各位のご支援、ご協力とその結集した力の及ぼす影響力の大きさであり、今更ながら心から感謝を申し上げます。
皆さんもご承知の通り、47年間も隠し続けていた、私が逮捕当日に書いた上申書が開示されたことで、鑑定して頂いた結果、脅迫状とは異筆であることが証明されました。私は犯人でありませんから、当然のことながら、それ以外にも裁判所に提出されている全ての証拠についても私の犯罪行為を証明出来得る物証は何一つ存在しないし、加えて今後さらに弁護団から無実を示す新証拠、鑑定書が提出される予定です。
ただ一方において、依然として予断を許せないのは「脅迫状」や「法医学」鑑定に関して検察側も鑑定書を出されたようであり、中でも検察は再審開始に必要な「明白性については確定判決を崩すほどの強烈な衝撃力を有しない」と弁護団の主張する論点に反動姿勢を露骨に現してきていることからも伺えるように、いよいよ再審闘争も最終段階に突入したものと捉え、支援者皆さん方に警鐘を乱打せずにはおられません、何よりも寺尾判決の二の舞を踏んではならないと私は自分自身に言い聞かせ、現在の担当裁判官が「再審開始決定」を出すまでは、「寺尾判決」を肝に銘じて、えん罪が晴れるまでとことん闘い抜く決意でおります。従って此の様に狭山再審闘争が深まりゆき、検察当局との対峙を回避して、狭山闘争の歴史的勝利はありえませんので、皆さん方に最後のお願いとして、断固勝利に向かって追撃し抜く態勢を戦闘的に打ち固めるご支援を賜りたいのであります。
以上が私の決意と支援者皆さま方へのお願いでありますが、ご多忙の中を本集会にご参集下さり、誠にありがとうございました。季節の変わり目は体調を崩しやすいので、十二分にお気をつけください。
今後のご活躍を念じつつ 2012年10月31日

10・31寺尾不当判決38ヵ年糾弾
再審実現集会に決起されたご一同様へ
石川 一雄