日々の喜怒哀楽を綴ります。

『ワタリ』

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秘密保護法の最大の問題点は、何が「特定秘密」にあたるのかが公開されないことにある。こんな法律ができたらどうなるのか、それを端的に示した漫画が、白土三平の『ワタリ』だ。
忍者たちは「死のおきて」なるものに縛られていて、これを破った者には死が待っている。しかも、本人は自分のどんな行動が「死のおきて」に抵触したのかわからないまま、有無を言わさず処刑されてしまう。そのおきては、実は、忍者たちを分断支配するための都合のよい「秘密」なのだが、それが何なのかを知っているのは幹部だけで、一般の忍者には知らされない。
自分のどんな行動が「死のおきて」にふれるのかがわからない忍者たちは恐怖支配の下に疑心暗鬼に陥りながら日常を過ごしている。『ワタリ』ではその恐怖支配を打ち破ろうと忍者達が結束する場面もあるが、彼らの勝利はつかの間で、より大きな権力によって打ち破られていく有様が、当時(1965年~66年)の少年漫画としてはひどく凄惨な展開で描かれ、結末も主人公たちが孤立無援の苦しい闘いを強いられ続けることを予想して終わっている。
秘密保護法は「死のおきて」になるだろう。何しろ、その「特定秘密」が何であるかということを知ることもできないのだから--。(Live in Peaceより、添削引用)