日々の喜怒哀楽を綴ります。

読んで欲しい、弁護士諸氏に!

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『人民新聞』(2014.10.25/No.1530)に投稿して掲載された拙文を全引用いたします。
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友人諸賢、特に弁護士のみなさんと「カウンター仲間」(この用語は、決して私の本意ではありませんが…)諸氏に御熟読いただき、ご意見・ご批判を頂戴したい所存です。
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『闘争』しない弁護士を信用できるか?
専門職たちの「訴訟指揮」なるものの「なれの果て」
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先日、Aさんの裁判傍聴のため大阪地裁に行った時のこと。その日は傍聴券の申込所が「原告側・裁判所正面」「被告側・東側」と二ヶ所に分かれていて、筆者は正面で並んでいたのだが、傍聴希望者が多く抽選になり「当たらんやろなぁ」と思ってふと東側を見ると、人がいない。「なんや、向こうで券を貰ったらええんとちゃうのん?」と傍にいた友人に問えば「さぁ?どうやろ」…それで、「ゼッケンをつけての入場はできません」「政治的主張や文言の書いたTシャツ等の着用は認めません」「抽選時間まで整列してお待ち下さい」などと、何度も何度もメガホンでわめき立てている(このごろの裁判所前「風物詩」だ)職員に対し、手を上げて「質問。向こうの東側で傍聴券もろたらアカンの?」と大声で訊いた。職員のアナウンスは一瞬止まったが、筆者の質問は無視された。
そうこうするうちに、ザイトクらしき男が一匹、並んでいる我々の中に誰か当該個人を見つけたのか、薄汚い言葉で怒鳴りながらつっかかって来た。一瞬、怒号と小競り合いが生じ、筆者も「いにさらせ(「帰りやがれ」ほどの意)、このドチンピラ!」と罵倒した。舞台歴三五年を誇るその声の大きさと迫力ときたら、他の追随を許さないのだ(笑)。男は数人の職員に阻止されて、裁判所内に連行されていった(後、どうなったかは知らない)。
■「事前合意」を破った「素人」
その後も傍聴希望者(=支援者)の数は増え続け、当選する確率は下がるばかり。一方、東側の申込所は閑古鳥が鳴いていて「抽選はなし」との情報を得た。業を煮やして、筆者は東側に行って傍聴券を貰おうと決意、整理券を職員に返して列を離れた途端「行かないでください」という声が聞こえた。振り返ると、黒いスーツ姿の女性が植え込みのコンクリート・ポットの淵に腰掛けて、こちらを見ている。筆者は一瞬「こいつもザイトクか?」と思ったが、その声を無視して東側に移動した。すると、その女性が小走りで追いかけてきて(つまり、そのくらい彼女は我々の列から離れた所に位置していたのである。「こいつもザイトクか?」と筆者が疑ったのは、その距離感のせいだろう)、再度「行かないでください、もどってください」と言葉をかけてきた。
訝しく思った筆者が「あんた、誰や?」と訊くと「Aさんの代理人です」と答えた。「なら訊くが、被告側・原告側と分かれているのはどういう訳?どちら側かを証明する手立てがあるわけじゃなし」「とにかく、こういうことされると困るんです」「何か法的根拠でもあるの、分けるということに」「これは訴訟指揮です。したがってください」--ここまでのやり取りで筆者は全て悟った。つまり、裁判所側と被告・原告の代理人(=弁護士)三者で「式次第」を事前に取り決めていたわけだ。彼女の目には、筆者の行為が「事前合意」を覆す由々しきものと映ったのであろう。「なるほど、解りました。なら、何故最初から訴訟指揮だということを徹底して知らせなかったんですか?」と言葉を掛けながら、二人並んで元の列に戻ったのだが、彼女はなおも顔をこわばらせて筆者を睨んでいる。「何か、私に言いたいことでも?」「さっきも怒鳴ったでしょ。これはあくまでAさんの裁判です。もめ事を起こして欲しくないのです」「私はもめ事を起こす気など、まったくありませんけどね」。筆者は呆れ返って、あえて次の言葉を継ぐことを止めた。
■「専門職」の範疇に足を突っ込むな
要するに「傍聴人は抗議や異議申し立てをせず温和しくしていろ」ということだ。もっ言えば、彼女は「Aさんの裁判」だと言ったが、本当は「これは私の裁判だ。あんたのような素人(あるいは「左翼活動家」風情)がごちゃごちゃ勝手に言動を弄するな」と言いたかったのだろう。
裁判官が決めた「訴訟指揮」なるものに唯々諾々と従属し、不合理なことがあっても文句を言うなだと?そんな弱腰で裁判が闘えるのか…と疑問に思ったが、すぐに考え直した。「そうか、今までの経験においても、自らの専門性に照らし合わせても、【裁判闘争】という言辞やスタンスをこの弁護士たちは持つことができないのだ。法理論のやり取りの範囲で勝訴に持ち込み自らのキャリアを積む、それが仕事なんだ。そういうことか」と。つまり「裁判は闘争の場ではない。ましてや、専門職の範疇に足を突っ込むな」というメッセージを彼女は発していたのだった。
筆者は抽選にはずれて法廷内に入れなかったが、原告側に用意された七〇席は埋まり、被告側に用意した三〇席には二人だけが座っていたという(その振り分けの根拠も問い糾したいものだ)。要するに、二八席が空いていたわけだ。そればかりか、被告側は、告発された本人どころか弁護士すら姿を見せなかった。勿体ぶった「訴訟指揮」の成れの果てがこのザマよ!
人権を標榜する弁護士諸君、私たちは本当にあなた方を信頼していいのかね。