日々の喜怒哀楽を綴ります。

猫が/で考える

ファイル 3676-1.jpeg

犬の安産に肖んで、妊娠五ヶ月目に入った女性が最初の「戌の日」(1月11日、2月4日など)に腹帯を巻いて安産祈願の神社参りをする古くからの風習がある。ベビー服や妊婦帯のメーカーも「戌の日カレンダー」などをネット上で紹介しているほどだから、この風習は未だに根強く続いているようだ▲60年代の人気番組『ひょっこりひょうたん島』で「ブルドキア」という犬の国が出てくる。博士やトラヒゲ以下、島の住民は皆牢屋に捕らえられて「風呂番、家番、お店番、いろんな番をして働け!」と迫られる。番犬の人間に対する復讐・仕返しだ。一方、犬の兵隊達が歌う「俺たちゃ雑犬…お風呂に入るのも一番後さ。食事にありつくのも一番後さ。たった一つ一番はじめにやれることは、一番危険な戦場へ一番先に行くことさ…」という『ワンワンG1ブルース』が何とも物悲しかった▲人間と暮らし始めた最も古い動物だからだろうか、犬に対する人間様のイメージは、<忠良・従順・勤勉>と<下僕・卑屈・背信>が常に二律背反する。また「強い犬は吠えない」などと格言が罷り通っていて、キャンキャンと五月蠅い犬は嫌厭される▲しかし犬よ、吠えろ!この国の不条理に吠えろ!愚かな人間の愚鈍と愚行に向かって、吠えろ!吠えろ!(『まねき猫通信』No.186巻頭言)

甘湯葉!

ファイル 3673-1.jpeg

絶品!

こんなん出てきた(笑)。

ファイル 3608-1.jpgファイル 3608-2.jpg

ワシ、昔はえらい真面目に「映画評」やってたんや(笑)。

下村敦史『闇に香る嘘』

ファイル 3587-1.jpg

下村敦史『闇に香る嘘』を一気に読んだ。物語が頭の中を何度も何度も、何事かに逡巡するかのように回転し、その展開を反芻した。本作品の下敷きには「中国残留孤児問題」がある。そして「全盲」が作品全体の終始一貫を覆う。下村敦史が描いた障害者像は『白の闇』(ジョゼ・サラマーゴ/1998年ノーベル文学賞)から抽出され、かつ綿密に洗練された印象を受けた。「常闇」に生きざるを得なくなった主人公の<言動・思考・苦悩・葛藤>の逐一が読者に憑依してきて、そしてそれが「謎解き」の因果に繋がっていくのだ。下村自身が視覚障害者か?と訝ったほどで、その取材力は<常軌を逸する>との過言を以て絶賛する以外ない。
昔、白土三平『カムイ伝』の惹句に「ストーリーは小説を越え、ビジュアルは映画を越えた」という秀逸があったが、それに擬えて、『闇に香る嘘』の「構想力は『三たびの海峡』(帚木蓬生)を越え、歴史性は『エトロフ発緊急電』(佐々木 譲)を凌ぎ、説得力は『テロリストのパラソル』(伊藤伊織)に勝とも劣らず、結末の意外性は『砂の器』(松本清張)を遥かに凌駕し、そして、筆力は『李歐』(高村薫)に肉薄している」と記しておこう。

久々に Golgo13

ファイル 3562-1.jpg

オスプレイが墜落したのはGの狙撃によるものだった!
沖縄新基地建設阻止闘争の「義」がストーリーの重石になっている秀作である。

猫で/が考える。

ファイル 3513-1.jpg

問1:United States of Americaの日本語訳は「アメリカ合衆国」「アメリカ合州国」どちらが正しいか。その根拠も含めて、二百字以内で答えよ。▲問2:「日本は発達した資本主義国であり、自由主義陣営の一員としての法治国家である。その統治原理は立憲主義であり、主権者は国民である。」という説明について、五百字前後で評論せよ。▲問3:戦争放棄をうたった日本国憲法九条と専守防衛を旨とする自衛隊の存在は矛盾するかしないか、千字以内で記述せよ▲問4:「民主主義の原則は多数決であり、少数意見の尊重である」の間違いを、三百字程度で指摘せよ。▲問5:次の空所に適語を入れよ。「それでも地球は回っている」は○○○○が異端判決を受けた際の言葉で、真理の基準は○○○ではなく、真理はたった一人でも○○できることを教えている。▲問6:次は『全世界嘘つき大会』優勝者の言辞である。空所に語を補充して正解を作れ。「私は生まれて今まで○を○○○ことがありません。」▲問7:「私は一般人でありテロリストではない」と公言したA氏が共謀罪容疑で逮捕された。その場合の、考察しうる逮捕理由は何か?簡潔に書け。▲問8:日本国に民主主義は存在するかしないか、1万字前後で論じよ。
(『まねき猫通信』No.180 巻頭言)

猫が/で考える。

ファイル 3457-1.jpg

フェイスブックを通じて懇意になり邂逅を得た神戸金史)さんと初めて飲んだ。一年前の「相模原虐殺事件」で19人が殺害され27人が負傷、犯人が「障害者は生きている価値などない」と傲然と言い放ったその日の夜、神戸さんは酔っ払いながら綴ったと言う▲『障害を持つ息子へ』 [略]あなたが生まれたことで、私たち夫婦は悩み考え、それまでとは違う人生を生きてきた。親である私たちでさえ、あなたが生まれなかったら、今の私たちではないのだね。ああ、息子よ。誰もが、健常で生きることはできない。誰かが、障害を持って生きていかなければならない。なぜ、今まで気づかなかったのだろう。[略]息子よ。君は、弟の代わりに、同級生の代わりに、私の代わりに、障害を持って生まれてきた。[略]息子よ。そのままで、いい。それで、うちの子。それが、うちの子。あなたが生まれてきてくれてよかった。私はそう思っている。父より▲大反響を呼んだ「詩」は放送番組や単行本になり、翻訳もされて世界各地で共感の旅を続けている。神戸さんは放送の仕事に携わりながら、講演活動にも忙しい。一年前、不覚にもこの「詩」に気付ずにいた鈍感の罪を、執筆者が償うこととあいなった「新宿ゴールデン街」の夜でありました…(笑)。
(『まねき猫通信』No.179 巻頭言)

猫が/で考える。

ファイル 3429-1.jpg

ゴーリキーは『母』を書いた。ロシア革命前夜、金属工のヴラーソフは過酷な労働と貧困に打ちのめされ、酒に溺れ妻子に暴力を振るう暮らしをしていたが、息子のパーベルは地下活動に参加していた。ある日、工場でスト破りに包囲されて乱闘となり、暴力団に雇われていたヴラーソフが射殺される。母は「危険なことは止めて」と懇願するも、息子は逮捕され、裁判で懲役刑が言い渡される。「真実はどこ!」母の悲痛な叫びが法廷に響いた。母は変わった。メーデーの日、街の隅々から次々とデモの隊列に加わってくる労働者達の中に、母もいた。赤旗が翻り、それに呼応した多くの囚人達が射殺されたが、脱出に成功したパーベルは母と抱き合う…その瞬間、騎兵隊の銃弾が襲った。赤旗を持って隊の前に立ちはだかった母も、剣の一閃を浴びた▲三浦綾子も『母』を書いた。特高に虐殺された小林多喜二の母・セキは、何も悪い事をしていないのに殺された我が子とイエスの姿を重ね合わせて、信仰を得る。神に「白黒つけてくれ」とセキは祈った▲「生きるに値しない命」を是とするこの国家が殺すのは、アカ・ヤクザ・カゲキハ・ショウガイシャ・フテイセンジン、如何様にもなる。そして、共謀罪は幾千万の「母」を産み出すだろう。
(『まねき猫通信』No.178 巻頭言)

現代の"人生幸朗"を目指すパギやんが、日々の喜怒哀楽を綴ります。嬉しい出会いあり、怒髪天をつく「怒」あり…【詐欺国ニッポン】を旅しながら、今日も今日とて《反・否・非・不~》なのであります。

ページ移動